現地調査、SARおよびAIワークショップを実施しました!

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6月5日、6日にIbamaの法定アマゾン各州の環境分析官を対象にした、

SARデータに関するワークショップをJAXAの短期専門家を講師として開催しました。SARの歴史、基本的な原理に始まり、実際のSARデータの解析手法としてJJ-FAST(JICA-JAXA熱帯林早期警戒システム)の森林伐採データの抽出行程作業を学びました。7月1日に無事打ち上げられたALOS-4の仕様についての質問も多くあげられ、今後の日本の衛星データ活用に大きな期待が寄せられました。今回のワークショップ参加者のうち数名が今年11月の本邦研修に参加する予定となっており、SARデータ解析に関する知識と理解をさらに深めていきます。

ワークショップに続き、6月10日から14日にかけては、JJ-FASTによる森林変化検出の精度検証のため、Para州AltamiraおよびSantarémで引き続きJAXA短期専門家とともに現地調査を実施しました。今回の観測においては大規模な伐採検知は少なく、小規模な伐採検知に関しては雨季に生じた自然撹乱によるギャップの発生とその林床の水分によるものが見られました。今後JAXAにおいて、詳細な分析を実施する予定です。また、Altamiraにおいて、距離が離れており現地調査に行けなかった伐採検出地点について、実際に許可を経ていない違法伐採があることが確認され、土地所有者に対して罰金が課されたとのことです。この伐採地点は他の森林減少検知システムでは検出できておらず、JJ-FASTによって唯一確認することができました。

6月17日から21日にかけてはプロジェクトにおいて開発中の森林伐採予測システムに関わる技術習得のため、AISTの短期専門家がワークショップを行いました。AISTにて作成しているプロトタイプモデルにインプットするためのデータセットの作成方法、実際にデータセットを使用して予測を行う方法について、コンピュータのセットアップから学ぶ機会となりました。今回のワークショップ参加者は8月に実施予定の本邦研修へも参加する予定となっており、8月までに実施する課題もAIST専門家から出され、実際にプロジェクトにて供与したワークステーションを使用した予測モデルの実行をする予定になっています。